2021年11月25日

英国ロックの盛衰 ロンドン・パンク

1970年代前半、T.REX、デビッド・ボウイを代表とするグラムロックの隆盛があり、
ひと段落した70年代半ば頃からニューヨーク・パンク(ドールズや、ラモーンズ)の
影響を受けた若者達がロンドンでも活動を始める。


例えば、有名なのは「ロンドンSS」の様なバンドだ。
実際のライブやレコーディングは行われなかったが、
後のクラッシュやダムドの主要メンバーが集まって、
メンバーオーディションやリハーサルは行われていた様だ。

ブライアン・ジェームズ、ミック・ジョーンズ、ポール・シムノン達だ。

米国で後期ドールズのマネージャーだった、マルコム・マクラーレンは英国に戻り
今は非常に有名なデザイナーとなったヴィヴィアン・ウェストウッドと共に
ファッションとロックを融合したムーブメントを作ろうとしたのだと俺は思う。

リチャード・ヘルのようなビジュアルにドールズの様なロックン・ロール、
そこにヴィヴィアンの斬新なファッションで衝撃を与えるといった構想だったんじゃないかな。

では、完全に業界がデッチあげた物という事でもないと思っていて、
同時並行でロンドンSSの様な動きがあったわけで、
たまたま結果としてそうなったというより
時代の流れがそうだったんじゃないかな。

全然、パンクでもなんでもないが、日本で非常に人気の高かった「JAPAN」も
当初は、パンクムーブメントのバンドと同時期に活動していたわけで
セカンドアルバムまでは、どっちかといえば本人達は不本意かもしれないが、
ドールズみたいなファッションをしてるし
1975年〜1976年辺りは、次の模索期間だったのかもしれないね。

まあダムドや、ストラングラーズはパンクムーブメントが無くても登場したバンドだと
思っているが、業界的にまとめてパンクとした方が売り出しやすかったのだろう。
おそらく、1976年頃は当の本人達は「何だ、パンクって?」みたいな感じだったんじゃないか。

パンクというジャンルに括られてはいるが、ダムド、
クラッシュ、ストラングラーズ、ジャムは全然音楽性も異なるしね。

とにかくボーカリストのいないピストルズにジョニーが加入し、
ライブ等で動きだした頃から急速にムーブメントが動き出す。

ロンドンSSのミック・ジョーンズとポール・シムノン
の誘いで、ジョー・ストラマーが加入しクラッシュが結成。
ピストルズの親衛隊だったスージーが、バンシーズを結成。

その後、ピストルズ、クラッシュ、ダムド等に衝撃を受けた、若者達が次々とバンドを
結成しその流れが世界中に飛び火していく。

英国であれば、シャム69やビリー・アイドルの
ジェネレーションXだろうし、例えば日本だったら、スターリン、アナーキーや
スタークラブ、モッズなどのバンドが最初期のパンクといわれるバンドに影響を
受けて動き始めたと言えると思う。

非常に面白い時代だったんじゃないかな。

1977年になると、比較的TV番組などで若手パンクバンドを後押ししていた
(グラムロックで一時代を築いた)マーク・ボランが自動車事故で無くなったり。

1978年にピストルズから、アメリカ・ツアー直後にジョニーが脱退(解雇とか)、
P.I.L.(パブリック・イメージ・リミテッドを結成)
ダムドも一度解散する。

あとは、最初は衝撃だが段々と慣れてくると飽きられてくるという事もあるかもしれない。
クラッシュは、音楽性を変化させながら米国でも売れるバンドへ成長していく。

パンク・ロック自体は、その後も音楽の一つの人気ジャンルとして生き延びていくが
ムーブメント自体は急速に収束していく。

というのが、あくまで俺の頭の中にあるパンクの全体感で、真実は一人一人違うのだろう。

俺がパンク・ロックが良かったなと思うのは、もちろんオリジナルの連中の
曲や演奏が好きだというのもあるが、その影響下でバンドを始めたバンド達
ジョイ・ディビジョン、BAUHAUS、キュアーとか個性的で面白い
サウンドを出していて、そういうバンドが登場するきっかけとなった事かな。

マルコム関連で言えば、バウワウワウ、アダム&ジ・アンツなんかも
面白いコンセプトだった。

俺自身、パンクロックやニュー・ウエーブのバンドを聴かなかったら
バンド自体やっていなかっただろう。

想像力で、面白い事をやれると俺に気づかせてくれたのは彼らだった。

英国初期パンクロックの主な、アルバム等はこっちのブログで確認してほしい。
https://kino69.seesaa.net/category/27563529-1.html

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posted by 蘇るロック黄金時代 at 17:12| Comment(0) | 英国ロックの盛衰 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする